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2019.12.15 Sunday
ドキュメンタリーとこじれた関係

「童貞。をプロデュース」問題では日本映画学校の先輩でもある松江哲明さんが槍玉に挙げられている。

確かに教え子だった加賀くんに対しての暴力的支配行為は彼の性格と演出の得意とするところだろう。

私も姉と池袋シネマロサの3周年上映を観て、お互いに気まづくなり、

ドキュメンタリーはこういうものと思われたくなくて、感想もロクに言わずに別れた。

肝心の性暴力と言われているシーンも、笑えなかったし不快だった。

それを機に映画の感想を宣伝以外でSNSで書かなくなった。

世間一般的に話題性があり面白いということと自分の感覚はかけ離れていると思ったからだ。

 

グダグダ何が言いたいかというと、ドキュメンタリーって一筋縄ではいかないから面白いということだ。撮影させてもらった人から怒鳴られたり、完成途中でお金を要求されたり、一方的な理由で素材を使うなと言われたり、撮影中にセクハラ受けたり、もちろん自分にも非があるけど、どっちもお金をもらってる訳でもないし(撮り手は給料もらってる場合もあるか)、人生さらけ出してるから、綺麗事の関係性だけでは済まないと思う。

だけど、世間的にはアウトなことでも、物語の世界では魅力的なことだらけだ。

物語の世界ではたくさん人が死んだり殺されたり、裏切り裏切られる。

でもそれは私たちが生きてる世界にだって起こり得ることだ。

公開できなくてもお蔵入りになっても、撮ったカットは(関わった者は)死ぬまで忘れない。

自分が本当に表現したいことも独りよがりすぎて、商業や視聴率の世界では二の次になることも多々ある。

それが悔しいから続けている。

ドキュメンタリーを作ることを死ぬまで続けるとは思わないし、

これからも信じた人にたくさん裏切られるだろうし、私もクズみたいなことするんだろう。

ドキュメンタリーがなくたってこの世界は成立してるけど、

自分にとってはドキュメンタリーは必要な世界なのだ。

 

私が「アヒルの子」の物語を背負いすぎてしんどかった時期、

今もある面負担に感じる時もあるが、

自分の人生が物語の世界無しには語れないような、

半分虚構のキャラクターを演じ続けないといけないような、

気持ち悪い錯覚があった。

それから、撮ることの責任や

物語の中で審判を下す時に伴う罪悪感のようなものに

向き合うことに疲れてもいた。

 

ある日、ラダックというテレビ制作会社の

先輩ディレクターが撮影した人に対していつも考えていることを話してくれた。

「ドキュメンタリーで撮った人の人生はその後の人生の方が何倍も面白くなると思う」

そういう単純な気づきというか、その人の世界の見方に、少なくとも私は救われた。

あなたの人生にとって、ドキュメンタリーの切り取った世界はほんの一片でしかなくて、

その後の人生に死ぬほどの可能性が広がっている。たった一人の味方がいるような気分だった。

できればそうあってほしいという願望だとしても。

今回の件で、ドキュメンタリーへの出演をマイナスに感じる人も多いだろう。

映像の切り取られ方によってはすごく嫌な気持ちになることもある。

私は撮られるのは嫌だ。それは撮りたいという人を信用できない限り難しい。

加賀さんと話したい気持ちもある。でも面識がない。

気持ちがわかる部分もあるし、同じ気持ちになったこともある。

自分が作った物語に関する人の痛みに向き合おうとしないのであれば、

ドキュメンタリーを作る資格はないと思う。

特に出演してくれた人やテーマと何年も向き合わないのはただの弱虫だろう。

簡単にはいかないとわかるからこれまでSNSではこの問題について発信してこなかった。

どっちが正しくてどっちが悪いとも言えない。

ドキュメンタリーを作る限り、誰でも起こり得る問題だ。

かといって、撮らせてもらう人の宣伝ショットがドキュメンタリー作品ではない。

お互いの価値観をきちんと対等に話し合っていれば、もっと別の結末があったのかもしれない。

| 小野さやか | 映画の宣伝配給 | 23:23 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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